1996年の旅行でフランスに恋に落ち、かなりの年月が経ってから留学。すると、さらに欲が出てきて、学生ではなく、社会人として生活してみたくなった。その思いが叶うときが、今日、やってきたのだ。ワーキングホリデービザ、万歳!
職場に戻って、いよいよ仕事開始。日本で社会人も接客にも経験しているとはいえ、何の商品知識もない私に、いきなり満足な接客が出来るわけがない。まずは、商品についてひと通りの説明を受けることになった。バッグ、服、小物などを取り扱うブティックなので、種類もかなり多い。そこにさらに言葉のハンデが加わる。今までの日常会話では使ったことのない単語がどんどん出てくる。フランス語の桁の多い数字が苦手な私にとっては、商品番号もややこしい。しかも、商品をきちんと理解し、説明をフランス語で出来るようにならないといけない。うむむむむ、私はいきなり壁にぶつかるのだった。そんな不安な私の気持ちを察してか、「大丈夫、しばらくしたら自然に覚えられるわよ。私たちでも商品番号や金額がごちゃごちゃになって、今でも確認することもあるわよ。商品の説明も、みんなの言いまわし方を聞いて少しずつ覚えていったらいいわ。」・・・そうか、みんなのフランス語に聞き耳を立てて、ちょっとずつ盗んでいけばいいんだ!その言葉のおかげで、リラックスできた。
まだ十分なレベルの接客ができない私にでも完璧にできることと言えば、「ボンジュー」「メルシー、さようなら」の、お客さんが出入りするときの笑顔でのあいさつくらいだった。せめてこれだけでもしっかりしよう、とはりきって声を出していた。ブティック内に立ち、堂々とあいさつ(「だけ」なんだけれど。笑)する私は、周りから見れば立派な店員だ。お客さんにしてみれば、私が働き始めたばかりだなんて知る由もない。私が外国人だなんてことも関係ない。・・・そう、まだ「超初心者マーク」の私が、いきなりフランス人のマダムに質問をされてしまったのだ。さぁ大変、どうする、ちはる!?
職場に戻って、いよいよ仕事開始。日本で社会人も接客にも経験しているとはいえ、何の商品知識もない私に、いきなり満足な接客が出来るわけがない。まずは、商品についてひと通りの説明を受けることになった。バッグ、服、小物などを取り扱うブティックなので、種類もかなり多い。そこにさらに言葉のハンデが加わる。今までの日常会話では使ったことのない単語がどんどん出てくる。フランス語の桁の多い数字が苦手な私にとっては、商品番号もややこしい。しかも、商品をきちんと理解し、説明をフランス語で出来るようにならないといけない。うむむむむ、私はいきなり壁にぶつかるのだった。そんな不安な私の気持ちを察してか、「大丈夫、しばらくしたら自然に覚えられるわよ。私たちでも商品番号や金額がごちゃごちゃになって、今でも確認することもあるわよ。商品の説明も、みんなの言いまわし方を聞いて少しずつ覚えていったらいいわ。」・・・そうか、みんなのフランス語に聞き耳を立てて、ちょっとずつ盗んでいけばいいんだ!その言葉のおかげで、リラックスできた。
まだ十分なレベルの接客ができない私にでも完璧にできることと言えば、「ボンジュー」「メルシー、さようなら」の、お客さんが出入りするときの笑顔でのあいさつくらいだった。せめてこれだけでもしっかりしよう、とはりきって声を出していた。ブティック内に立ち、堂々とあいさつ(「だけ」なんだけれど。笑)する私は、周りから見れば立派な店員だ。お客さんにしてみれば、私が働き始めたばかりだなんて知る由もない。私が外国人だなんてことも関係ない。・・・そう、まだ「超初心者マーク」の私が、いきなりフランス人のマダムに質問をされてしまったのだ。さぁ大変、どうする、ちはる!?
ふふふ・・・やはり「笑顔」で攻めるのは効果抜群。マダムの機嫌は少しずつよくなってきた。「これ、オッケー」「次、はい、オッケー」と言いながら、フランス人らしいマイペースな動きで、私がそろえてきた書類に順番に目を通していた。どれだけたくさんの人が次に待っていようと、決して焦らないフランス人は多い。ある意味、あっぱれ!だ。必要書類はもれなく揃えていたので、よっぽどのことがない限り手続きは一度で終わるはず。しかし。フランスは何が起こるか分からない国だから、と少し緊張気味の私がいた。担当者によっても、結果が違うこともあるし(苦笑)。
マダムは、書類に目を通し終えると、ペランペランの薄い紙にボールペンで何やら書み始めた。そして、判読するのにひと苦労する筆跡で(失礼!)私の名前や企業名が書き込まれたそれを、私のほうへ差し出した。それは、仮の一時労働許可証だった。本物の一時労働許可証は、2週間ほどで自宅に郵送で届くとのこと。でもそのあとに、マダムはいたずらっ子のように笑って付け加えた。「あっ、でもバカンスシーズンだから、もうちょっと時間がかかるかもしれないわ。人がいないの。1ヶ月ほど見ておいて」。出たっ、バカンス!バカンスシーズンは、フランスの多くの機関の機能がぐんと低下する。仕方がない、これがフランスだ。無事に手続きが完了しただけでもヨシとしよう。(そう思わないと、フランスではやっていけない。)
私は、マダムに笑顔でお礼をいった。「よいバカンスを」と付け加えて。「どういたしまして。よい一日を!」。すっかり機嫌が直っていたマダムは、そう言って私を送り出してくれた。私は、ペランペランの薄い紙に再び目を通し、バッグに大切にしまった。これがあるから、私は今日から働けるんだ。ありがとう、薄い紙!あまりの嬉しさに、スキップしたいくらいの気持ちでみんなが待ってくれている職場へと急いだ。
マダムは、書類に目を通し終えると、ペランペランの薄い紙にボールペンで何やら書み始めた。そして、判読するのにひと苦労する筆跡で(失礼!)私の名前や企業名が書き込まれたそれを、私のほうへ差し出した。それは、仮の一時労働許可証だった。本物の一時労働許可証は、2週間ほどで自宅に郵送で届くとのこと。でもそのあとに、マダムはいたずらっ子のように笑って付け加えた。「あっ、でもバカンスシーズンだから、もうちょっと時間がかかるかもしれないわ。人がいないの。1ヶ月ほど見ておいて」。出たっ、バカンス!バカンスシーズンは、フランスの多くの機関の機能がぐんと低下する。仕方がない、これがフランスだ。無事に手続きが完了しただけでもヨシとしよう。(そう思わないと、フランスではやっていけない。)
私は、マダムに笑顔でお礼をいった。「よいバカンスを」と付け加えて。「どういたしまして。よい一日を!」。すっかり機嫌が直っていたマダムは、そう言って私を送り出してくれた。私は、ペランペランの薄い紙に再び目を通し、バッグに大切にしまった。これがあるから、私は今日から働けるんだ。ありがとう、薄い紙!あまりの嬉しさに、スキップしたいくらいの気持ちでみんなが待ってくれている職場へと急いだ。
「○○番!」
受付のマダムが大声を張り上げて私の番号を呼んだ。よしよし、私の番だ。マダムのほうへ目をやると、どうやらちょっと不機嫌そう?私の前に受け付けた外国人と少しもめていたので、それが尾を引いて残ってしまっているようだ。
うーむ、こりゃマズイ。フランスというのは本当にびっくりする国で、同じ手続きをするにも、担当者によって言うことが違うばかりか、担当者の機嫌が思いっきり結果に反映されてしまうことが多々あるのだ。○と出るか、×と出るか、ハラハラドキドキ、とにかくスリリング。まさに、すべては担当者のみぞ知る。日本では到底ありえない!ところが、それは日本での話であって、ここフランスでは、ありえる。お国が変われば、人も変わる。(笑)
では、こういうとき、どうすればいいか。こちらで機嫌を直してあげるしかない。とは言っても、さほど難しいことではない。『ニカッと笑ってボンジュール』、これだけでたいていはうまくいく。フランス生活の一番の基本は、この『笑顔でボンジュール』に尽きると思う。これを実践するだけで、フランス生活で嫌な思いをする場面はぐんと減るだろう。これは、私が10年以上前に旅行で初めてフランスを訪れたときから感じていたことで、今でも変わらない事実。
ムスッとした顔で座っていたマダム、「笑顔でボンジュール」に、まずは少しノッてくれた。まだまだ機嫌は直っていないけれど、そこでめげてはいけない、あくまでも笑顔で続けるのが大切なのだ。「一時労働許可証をいただきたいのですが」(と、ニッコリ)。次も、まだまだ笑顔で攻める。すると、あらあら不思議、マダムの機嫌はちょっとずつよくなってくる。機嫌の悪いフランス人を笑顔に変身させることは、意外と簡単!?(笑)
受付のマダムが大声を張り上げて私の番号を呼んだ。よしよし、私の番だ。マダムのほうへ目をやると、どうやらちょっと不機嫌そう?私の前に受け付けた外国人と少しもめていたので、それが尾を引いて残ってしまっているようだ。
うーむ、こりゃマズイ。フランスというのは本当にびっくりする国で、同じ手続きをするにも、担当者によって言うことが違うばかりか、担当者の機嫌が思いっきり結果に反映されてしまうことが多々あるのだ。○と出るか、×と出るか、ハラハラドキドキ、とにかくスリリング。まさに、すべては担当者のみぞ知る。日本では到底ありえない!ところが、それは日本での話であって、ここフランスでは、ありえる。お国が変われば、人も変わる。(笑)
では、こういうとき、どうすればいいか。こちらで機嫌を直してあげるしかない。とは言っても、さほど難しいことではない。『ニカッと笑ってボンジュール』、これだけでたいていはうまくいく。フランス生活の一番の基本は、この『笑顔でボンジュール』に尽きると思う。これを実践するだけで、フランス生活で嫌な思いをする場面はぐんと減るだろう。これは、私が10年以上前に旅行で初めてフランスを訪れたときから感じていたことで、今でも変わらない事実。
ムスッとした顔で座っていたマダム、「笑顔でボンジュール」に、まずは少しノッてくれた。まだまだ機嫌は直っていないけれど、そこでめげてはいけない、あくまでも笑顔で続けるのが大切なのだ。「一時労働許可証をいただきたいのですが」(と、ニッコリ)。次も、まだまだ笑顔で攻める。すると、あらあら不思議、マダムの機嫌はちょっとずつよくなってくる。機嫌の悪いフランス人を笑顔に変身させることは、意外と簡単!?(笑)
今でこそ明るくてきれいな建物に生まれ変わっている労働局だけれど、2005年当時はちょうど工事中。気分が滅入りそうな、小さな薄暗い一室に、外国人がこれでもかというほど溢れかえっていた。番号札をもらって順番待ち。周りを見回すと、実にいろんな国からの人がいることがひと目見て分かる。今日、この時間だけでもこれだけの外国人が労働局に来ているということは、パリには一体合計どれだけの外国人がいるのだろう・・・?つくづく思った、パリは外国人の存在なしでは語れない、ということを。ただ、その外国人についてフランスが抱える問題もとても大きい、ということを。
ふと、隣の女の子から声をかけられた。「ものすごい待ち人数ね」。同じフランスに滞在する外国人同士、妙な仲間意識があるのか、目が合うとにっこりしてくれる人がちらほら。実は私、こういう小さなことが結構嬉しかったりする。
あまりにも待ち人数が多くて、普通だったらここはうんざりするべきところなのかもしれなかった。でも、私は働き始めることが嬉しくてそんなこと全く気にならず、今後のフランス生活についていろいろ考えていたら、あっという間に自分の番号が呼ばれた。実際には、結構長時間待たされていたのだけれど(笑)。
ちなみに、番号を呼ぶのは、ピンコーンという電光掲示板でもなく、機械の音声でもなく、受付の人たちだった。いくつかの窓口があるので、何番まで呼んだか分からなくなり、窓口の人同士で「どこまで呼んだ?」と聞きあっているシーンも。日本社会で育った私にとって、この原始的なシステムには思わずにんまり。
ふと、隣の女の子から声をかけられた。「ものすごい待ち人数ね」。同じフランスに滞在する外国人同士、妙な仲間意識があるのか、目が合うとにっこりしてくれる人がちらほら。実は私、こういう小さなことが結構嬉しかったりする。
あまりにも待ち人数が多くて、普通だったらここはうんざりするべきところなのかもしれなかった。でも、私は働き始めることが嬉しくてそんなこと全く気にならず、今後のフランス生活についていろいろ考えていたら、あっという間に自分の番号が呼ばれた。実際には、結構長時間待たされていたのだけれど(笑)。
ちなみに、番号を呼ぶのは、ピンコーンという電光掲示板でもなく、機械の音声でもなく、受付の人たちだった。いくつかの窓口があるので、何番まで呼んだか分からなくなり、窓口の人同士で「どこまで呼んだ?」と聞きあっているシーンも。日本社会で育った私にとって、この原始的なシステムには思わずにんまり。
契約書のサインや挨拶が終わり、いよいよ実際に仕事を始めることになった。ところが、ふと、疑問に思ったことが一つあった:確かに契約書は交わしたけれど、すぐに働き始めてもいいのか?
ワーキングホリデーで働くときも、学生ビザで一時労働をするときと同じように、労働局に申請しなければいけないはず。(※現在は、学生の一時労働については2005年当時とは手続き方法が異なる。)このままでは違法になってしまう。ワーキングホリデー制度の仕組みを知らない雇用主はまだまだ多く(それでもパリはまだ知られているほうで、地方になると知らない人はもっと多いらしい)、雇用主も本人もそんな気はさらさらないのに、違法労働になっていた、なんていう話も耳にしたことがある。それだけは避けたい会社側と私。
後になってトラブルになってはいけないと思い、疑問を口に出してみたところ・・・やはり会社側は契約書があれば問題なく働けると思っていたようだ。
違法になってはマズイ、ということで、その場ですぐに書類を持って労働局へ向かうことになった。幸いパスポートは手元にあったし、その他必要なものはすぐに用意できた。仕事仲間たちの「急がなくていいから・・・待ってるね」という言葉がなんだか嬉しかった。目指すは、10区のメトロJaurès駅!
ワーキングホリデーで働くときも、学生ビザで一時労働をするときと同じように、労働局に申請しなければいけないはず。(※現在は、学生の一時労働については2005年当時とは手続き方法が異なる。)このままでは違法になってしまう。ワーキングホリデー制度の仕組みを知らない雇用主はまだまだ多く(それでもパリはまだ知られているほうで、地方になると知らない人はもっと多いらしい)、雇用主も本人もそんな気はさらさらないのに、違法労働になっていた、なんていう話も耳にしたことがある。それだけは避けたい会社側と私。
後になってトラブルになってはいけないと思い、疑問を口に出してみたところ・・・やはり会社側は契約書があれば問題なく働けると思っていたようだ。
違法になってはマズイ、ということで、その場ですぐに書類を持って労働局へ向かうことになった。幸いパスポートは手元にあったし、その他必要なものはすぐに用意できた。仕事仲間たちの「急がなくていいから・・・待ってるね」という言葉がなんだか嬉しかった。目指すは、10区のメトロJaurès駅!



