パリでお仕事
初めてフランスを訪れたときに、一目ぼれしたこの街で
暮らしたい、仕事したい
Ads by Google
DATE : -----------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
19: 折り返し地点
DATE : 2009-05-04-Mon  Trackback 0  Comment 61
ワーキングホリデーでパリに来たときから、すでに私の中でのカウントダウンは始まっていた。一年限定のビザ、長いようで短い。「あと11ヶ月しかない!」「あと10ヶ月しかない!」・・・友人や同僚たちは、そんな私を見て「気が早すぎる」とよく笑っていたものだった。確かにそうだ、一般的に見て、カウントダウンをするには早すぎる(笑)。でも、私の中で、この一年間が「本当に特別なもの」であったからこそ、なのだ。

折り返し地点に来たころから、周りによく聞かれるようになった。
「あと半年でビザが切れるけど、どうするの?」
あら、いつもギリギリのフランス人にしては、けっこう気が早いじゃない!と笑えた。
ちょうど、パリでの生活ベースがしっかりしてきたころだったので、私自身も半年後のことを考え始めていたころだった。日本に戻るか、それとも、もうちょっとこっちで頑張りたいのか。・・・答えはすぐに出た。もうちょっと、こっちで頑張りたい。いや、考えるまでもなくそれは分かっていた。自分の気持ちははっきりしていたけれど、ビザの問題が絡んで複雑であることは十分承知だったので、そのことを思うと少しブルーになったりもした。

「みんなとこれからも働き続けたいけど、労働許可証がないと、働けないからね。ワーキングホリデービザは一年間だけで、延長もできない、改めて取得もできない、一生に一度だけのものだから」
「どうしたら労働許可証はもらえるの?」
「会社が申請しないといけないけど、会社側も手続きが大変だから、オッケー出してくれるところはほとんどないって聞いたよ」
「社長に頼んでみればいいじゃない、オッケー出してくれるよ!早く動き出さないと!」
「うーん・・・でも厚かましいお願いだから・・・(ため息)」
「そんなことない!とりあえず、早く話してみなよ。あと半年もないんだよ」
「うん、分かった」

そうは言ったものの、なかなか動き出す勇気が出ないでいた。労働許可証を申請するのには、会社側に時間も労力もお金もかけてもらわないといけないことはよく分かっていたし、たとえ会社の同意がもらえて申請したからと言って、その申請が通るかどうかは分からない。しかもこのときは、ちょうどフランス政府の移民対策が強化されて本格的に動き始めたころだったので、状況がますます厳しくなっていることは明らかだった。だから、社長にこの話を切り出すのが怖かったのだ。「ノン」と言われるのが怖かったのだ。

ある日、社長がブティックに来たときに、店長が私に耳打ちした。
「ちはる、今から社長とお話しなさい。もう私たちのほうからはビザのことをお願いしてあるから、彼も、ちはるの気持ちを直接聞けることを待っていると思うわよ」
びっくりした。なかなか話を切り出せないでいた私を見かねて、同僚たちが社長にお願いしてくれていたのだ。

あまりにも急だったので心の準備は出来ていなかったが、話を切り出すこのチャンスを逃すわけにはいかなかった。私のほうへ笑顔を向ける同僚たちに小声でお礼をいい、そのまま社長のほうへ向かっていった。
「お話したいことがあるのですが、少しお時間よろしいですか」
私は、緊張のあまり、顔が赤くなったのを覚えている。できればワーキングホリデービザ終了後もここでみんなと働き続けたいという気持ちを伝えると、社長はすぐに言った。
「オッケーだ。彼女たちからもその話は聞いたよ。何をどうしたらいいのか、まず調べないとね。こっちも始めてのことだし、何も分かってないから」
とてもとても嬉しかった。まさかオッケーがもらえるなんて思ってもいなかったから。

そして、それからすぐに、手続きに向けて動き始めることになった。

page top
18:ひとり旅のお客さん
DATE : 2009-04-14-Tue  Trackback 0  Comment 18
私がこの仕事を選んだのは、フランスにいながらにして、「日本とも関わっていける」というのも大きな理由。どうせフランスで生活するならフランス人に囲まれて仕事をしてみたい、とは思っていたが、生まれ育った日本ともどこかで関わっていたかった。(欲張り?笑)

そんなわけで、私は、日本人のお客さんが来ると、妙にうれしくなるのだった。私が日本人だと分かると、「うわぁ!日本人とお話できると、落ち着きます!フランス語はできないし、必死になって英語で話してみても、フランス人はあまり理解してくれないし・・・」と喜んでくれる人もたくさんいて、思わずにっこり。

中でも、ひとり旅の人は特に「ちょっと心細かったので、ホッとしました!」と、安堵感を浮かべる人が多かった。私もひとり旅の経験がけっこうあるので、その気持ちはよく分かる。自由気ままに旅できるのはいいけれど、その反面、異国の地にひとりでいると、孤独を感じることもしばしばあるからだ。そんなときに出会う日本人とのふれあいは、なんと安心感を与えてくれることか!

一度、おもしろいことがあった。ブティック内にはちょうど日本人のお客さんも何人かいるときだった。あるお客さんが、商品に関する質問をしてきたあとにふと私に言った。「初めてのひとり旅なんです。誰かと話したかったんで、日本人の店員さんがここにいてくれてよかったです、ホッとしました!」
「そう言っていただけると私も嬉しいです(笑)。最近、ひとり旅の女性、多いんですよね。そういえば、あちらのお客様もひとり旅だとおっしゃっていました」
そういって、そちらのお客さんのほうへ視線を促すと、会話が聞えたのか、さきほど私が接客していたその女性は笑顔でこちらにやってきた。

「初めまして、こんにちは。お一人なんですか?私もなんです!」
「そうなんですよー。どれくらいパリには滞在されるんですか?」
ひとり旅の女性同士(年齢も同じくらい?)、会話が始まった。そして、意気投合した二人は、夕食を一緒に食べる約束をしたらしい。私が別のお客さんの接客を終えるのを待って、その後、私のほうへ近づいてきてこう言った。
「もしよかったら、私たちとご一緒に、夕食いかがですか?」
まさかそんな素敵なお誘いがくるなんて!

残念ながら、私はその日はすでに予定が入っていたためお断りしたが、「ここに来てよかったです!満足のいく買い物もできたし、いろいろお話もできたし、こんなひとり旅同士の出会いもあったし!」とお二人が楽しそうにブティックを後にする姿を見て、とてもとてもうれしくなった。その日の夕食は、きっと、お互いの旅の話で盛り上がったに違いない。もしかしたら、滞在中に、お二人は観光も一緒にしたかもしれないな、なんて想像して、こちらまで楽しい気分になったものだった。
page top
17: 寝過ごした・・・!
DATE : 2008-12-11-Thu  Trackback 0  Comment 76
フランスでは、試用期間中に解雇される場合がなきにしもあらず・・・いや、あまり珍しくない、と聞いていたので、正直いって不安がだった。勤務態度の真面目さには自信があったが(笑)、フランス人の中で仕事をするには、外国人の私では力不足なのではないかと心配だった。この期間は、雇用主は明確な理由を提示せずに解雇することができるし、雇われているほうも、理由を提示せずに自由に辞めることができる。通常、試用期間は一般職で1ヶ月、管理職で3ヶ月となっている。
やれやれ、無事にその試用期間を終え、ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、私は失敗をしてしまったのだ。寝過ごして、大遅刻!
ここでひとこと付け加えておくと、試用期間中は真面目を装い、試用期間後に本性を現わした・・・ということではないので、あしからず(笑)。

それは、働いて数ヶ月が経ち、生活のリズムもつかめてきたころだった。緊張の糸がプツンと切れて、いままでの疲れが急にドッと出たのかもしれない。寝る前に目覚まし時計をセットしたことまではしっかり覚えていたのだが、どうやら朝に目覚まし時計が鳴ったとき、無意識に止めていたらしい。目が覚めてぼんやりと時計を見ると、漫画の世界のように、ゴシゴシと目をこすりたくなるような、信じたくない時間が目に飛びこんできた。ああ、神様、夢であって欲しい!
しっかり目を覚まして、もう一度時計に目をやってみても・・・ああ、やっぱり。仕事開始の時間をすでに大幅に過ぎていたのだ。とにかく、お詫びの電話をしなくちゃ!

「ブティック○○、ボンジュ〜ル」
「ちはるです!」
あぁ、情けない寝起きの声。
「ああっ、ちはる、心配してたのよ、ちょうど電話しようと思ってたの。どうしたの?メトロが動いてないの?」
「違うんです。寝坊しました。いま起きたんです!本当にすみません」
「あぁ、そうだったのね。心配しないで。いまから来てくれたらいいから」
「本当にすみません!!今すぐ準備して、向かいます!!」

駆け足で職場に到着すると、責任者や同僚たちは、温かく迎えてくれた。申し訳なくて、昼休みを返上で働くと申し出る私に、こう言ってくれたのだった。
「お昼ごはんはしっかり食べないと、パワーが出ないわよ。いつも、時間よりちゃんと早く到着しているし、真面目に仕事もしていることはみんな分かっているから大丈夫。きっと疲れがたまってたのよ、誰にだってそんなこともあるわ。さっ、気にしない、気にしない!」

日本での社会人時代を思い返してみると、私を含めて、そんな大遅刻をする人は皆無だった。万が一こんな大きな遅刻をした場合、まさか笑顔で迎えてくれるようなことはないだろう。神妙な顔つきで、「これからはそんなことのないように」と注意を受け、その日一日、肩身の狭い思いをして過ごすであろう。
その反面、日本人と比べると、フランス人は時間にルーズ。そうはいっても、仕事となると、一時間以上の大遅刻をする人は、珍しい(私の周りを見る限り)。でも、この大らかな対応ぶりを見るかぎり、彼らにとっての遅刻は、日本人が遅刻に対して抱いている罪悪感ほど大きなものではない、と気づいた。
だからといって、これに甘んじてはいけないだけど(笑)。


page top
16: 「恐怖の」電話
DATE : 2008-10-21-Tue  Trackback 1  Comment 0
外国で生活し始めて、ふつうに他人とコミュニケーションできるようになった人でも、これだけは苦手、という人が多い。それは、「電話」。きっと、はじめのころは誰にとっても「恐怖の」電話。顔と顔を合わせていると、お互いの顔が見えるので相手の表情が分かるし、いざというときにはゼスチャーも交えて表現できたりする。でも、電話だとそうはいかないところがくせ者!友人との電話なら緊張もしないけれど、仕事となれば、話は別なわけで。プルプルプル、の軽快な音に、いちいちビクッとする私なのだった。

慣れないうちは、私が電話の近くにいても、同僚たちが率先して電話に出てくれた。ただ、いつまでも甘えているわけにはいかない。そう思うと同時に、「私なんかが電話の対応をすると、逆に迷惑じゃないか?」とも思った。

「私が電話に出ても大丈夫?迷惑じゃない?」
「どうして?もちろんよ」
「だってホラ、フランス語力が十分じゃないし・・・」
「何言ってんの、大丈夫よ!」

たとえば、お客さんからの問い合わせだった場合:相手にとっては、私が在仏歴が一年もない外国人であることなんて知ったこっちゃない。きちんと相手の言っていることを理解し、適切な答えを返さないといけない。ヘタな対応をして、ブティックの印象を悪くしてしまうのはまっぴら御免!でも、そうなりかねない恐怖が頭をよぎる。

本社や他のブティックの同僚からの電話だった場合:私のフランス語力が十分でないことは分かってくれているとはいえ、社員として、他の皆と同じように一人前扱い。「外国人だから」と変な特別扱いされるよりもありがたいし、喜ばしいことなのだけれど、私にとっては冷や汗もの!仕事についての伝達を間違ったりしても大変なので、必死になって受話器を耳に押し当てる。・・・押し当ててみたところで、別に私のフランス語力がアップするわけではないのだけれど(笑)。

プルプルプル!
よし、きたっ、出るぞ!
「ブティック○○○○、ボンジュ〜」
しまった、緊張しすぎて舌を噛んで、ブティックの名前の発音がうまくできなかった!
自分の発音のあまりのおかしさに、思わず笑いそうになるのを必死でこらえる・・・、そんなことが何度あったことか(笑)。内容を理解するどうこうの前に、一番の課題は電話でブティック名をうまく発音することだったりして!?


page top
15: 同じ単語だけど・・・
DATE : 2008-09-11-Thu  Trackback 0  Comment 1
さて、前回は、私からお客さんへの小さなフランス語レッスンのことを書いたけれど、そんな私自身にも、フランス人のお客さんから小さなフランス語レッスンが繰りひろげられることがあった。

ある日のこと、フランス人のマダムが「serviette(セルヴィエット)が欲しい」と言ってきた。Servietteと聞いて、私は「タオル」という意味しか思い浮かばず、「申し訳ないのですが、Servietteの取り扱いはしておりません」と答えた。

「えっ、そうなの?確か以前にここで購入したと思ったのだけれど・・・。」
はて、昔はタオルの取り扱いがあったのか?それとも、私の単語の聞き間違いか?

「Servietteというと、シャワーのあとに体を拭いたりするもの・・・ですよね?」
自分のフランス語のヒアリングが不安になり、思わずマダムに聞いてしまった。

「ああっ!ごめんなさい!Porte-documents(書類バッグ)というと分かりやすいかしら?」
「Porte-documentsならございます!」
そう、Servietteには、実は「書類バッグ」という意味もあったのだ。全く知らなかった!

「マダム、私、そんなことも知らなくてすみません・・・。」
「何を言ってるの、私のほうこそややこしい言い方してごめんなさいね。」
「今日は、ひとつ勉強になりました!」
「どういたしまして。ふふふ。」

マダムが欲しいものを手に入れて満足げに帰っていったあと、私はすぐに同僚たちに報告。「自信満々にServietteはありませんって言ってしまった、やっちまったよ、私〜!」と。そんな私に、フランス人の同僚たちは愉快そうに笑いながらいうのだった。
「いいの、いいの、ちょっとずついろんなこと学んでいけばいいんだから!あとほかには、Cartableっていうお客さんもいるから、覚えておくといいよ。」
日々、勉強。勉強!(笑)

page top
Copyright © 2007 パリでお仕事 :: french-code blog. all rights reserved.